まめ知識
歯は抜きっぱなしでも大丈夫?
虫歯や歯周病等の歯の痛みで悩んでおられる方から「歯を抜いたら痛みが無くなりますよね?」と質問を受けることがあります。確かに痛みの原因である歯を抜くことによって、急性症状は落ち着きます。しかし、歯を抜かざるを得なくなるまで放置されたお口の中は、あごの骨が痩せて入れ歯を入れたり、インプラントを入れることが難しくなります。歯を一本失うと、噛み合わせていた相手の歯が伸びてくる、両隣の歯が倒れてくる、お口のバランスが崩れて顎関節に問題が起きる(頬がコケる、シワが増える)、食べ物がこぼれたり上手く噛めない等、深刻な状態となります。当然ですが、伸びたり倒れてきた歯はいずれ抜かなければなりません。その予防のためには入れ歯やブリッジ、インプラント等で失った歯を補う必要があります。ただし、歯の奥にある親知らずは噛むことに影響がないため、健康な歯を守るために抜いてしまっても支障はありません。歯が抜けた状態をそのままにしておくと、他の健康な歯にも深刻な影響を与えてします。虫歯のチェックと歯周病の予防は定期的に続けてください。歯周病の予防には歯石の除去と正しいブラッシング(歯磨き)が有効です。
食いしばったり、力を入れた時に歯が痛んだことはありませんか?
暑さもやわらぎ、過ごしやすい季節になってきました。運動会などスポーツに励まれる方も多いのではないでしょうか?スポーツなどで歯を食いしばった時、又、寝ている時に強く噛みしめていることによって顎がだるかったり、歯が痛むことがあります。さらに歯の治療後や、歯科検診で異常なしと言われたにも関わらず、急に歯が痛むこともあります。虫歯が原因でなくても、歯がしみたり、疼いたりすることがあります。これは、強く食いしばることによって歯の神経がダメージを受けているサインです。人はスポーツなどで激しい運動をするときや仕事でストレスを感じているときには、無意識で歯を食いしばっています。奥歯1本にかかる負荷は自分の体重程にもなります。噛み合わせのバランスが崩れていると、上手く力が分散されずに歯がダメージを受けてしまいます。噛み合わせを調整したり、炎症を止める処置で改善が見られます。又、マウスピースを作ることで歯が受けるダメージを予防することができます。一時的な痛みと思って我慢していると、症状が悪化してしまいます。このようなサインがあれば、出来るだけ早く歯科医院を受診してください。
旬の美味しいものを気持ちよく食べるために
暑い夏も一段落して、食欲の秋を迎えました。旬の美味しいものが食べられる季節がやってきました。しかし、この時期、美味しいものを頬張って前歯が欠けたり、詰め物が外れたり、奥歯の隙間が気になったり、食べ物がよく歯に詰まったり、お口のトラブルも増えてきます。痛みがないので、そのまま放置する方もいらしゃいます。実は痛みが無くても虫歯は進行していくので、放置することは非常に危険です。歯に穴が開いたり、詰め物が外れた跡は虫歯が進行して神経を抜く処置や、抜歯に至る場合があります。そうなると治療するのに多くの時間や費用を要することになります。また、隙間を放置していると歯茎が腫れてきて歯周病を誘発いたします。症状がないからといって放置しないで早めの治療を心がけましょう。その他にも、食べる際に大きく口を開けることができない、痛みを生じる等の症状がある場合は顎関節症の疑いがあります。顎関節症になる原因は様々ですが、大きく口を開けられないとか音がする場合は噛み合わせの調整で改善されることがあります。食べ物が噛み切れない、片方の奥歯でしか噛めないという方は、噛み合わせが悪かったり、入れ歯が合っていない、虫歯がある、歯周病がひどい等の可能性があります。一度、両方の奥歯でしっかり噛んでみて気になることがあれば、治療が必要となります。美味しいものを快適に食べるために、早めにお口のトラブルを改善しましょう。
意外と気になる自分の歯並び
8月8日は歯並びの日と言われておりますが、これまで気になったことはないでしょうか?最近になって前歯の隙間が開いてきた、前歯が重なってきた等の変化がでてきた場合、歯周病が原因になっていることがあります。子供の歯が生え変わらず、大人の歯が生えてきた場合は乳歯を抜歯する必要があります。また、子供の歯が重なって生えていたり、隙間が大きかったりしても大人の歯が同じように生えるとは限りません。あごの骨格的な問題や悪癖(頬杖をつく。舌を歯の隙間から出す。下あごを出す等。)以外であれば、経過観察で大人の歯が生えるのを待っても大丈夫です。歯の治療をしたことによって、奥歯の嚙み合わせが悪くなり、噛みづらくなる場合は全体的な噛み合わせの調整が必要です。親知らずが歯磨きしづらい位置に生えている場合は、他の歯に悪い影響を与えてしまいます。親知らずが虫歯になったり、歯茎を腫らしたりします。その場合には抜歯をする必要があります。本格矯正までいかなくても、以上のような症状がある場合には一般歯科で治療することで改善できます。歯並びのことで少しでも気になることがあれば、一度歯科医師に相談してみてはいかがでしょうか?
夏によくあるお口の中の困りごと
暑さが厳しくなると水分補給をしたくなるものです。この時期むぎ茶や炭酸水、ジュース、缶コーヒーなどを飲むことが多くなります。気が付くと歯の色が黄ばむ、茶色になるなど歯の汚れが目立つようになります。茶しぶは一度歯に付くと、歯ブラシではなかなか落ちません。また、炭酸水やジュース等が多い方は、歯のエナメル質が溶けて虫歯になりやすい状態です。以前に治療した歯が氷や冷たいものを口にした際に痛むこともあります。一度、ご自身でお口の中をチェックしてみてください。
着色が気になる方は、歯科医院で「着色除去(歯のクリーニング)」をしてもらい、トリートメント等のコーティングを施せば、次回から着色が付きにくくなります。また、着色しても次回から除去することが容易になります。冷たいものを飲んだ時に歯がしみたり、歯に違和感がある場合は、虫歯になっている可能性があります。以前に治療した歯が痛む場合は、一過性の痛みであれば経過観察で良いですが、痛みが長く続いたり、噛むことが出来ない等の症状があれば、嚙み合わせ等の調整が必要になりますので、一度歯科医院で診てもらってください。
歯がしみているのに、放置していませんか?
知覚過敏とよく耳にしますが、歯がしみているのがすべて知覚過敏の症状ではありません。
知覚過敏とは、虫歯ではない歯が水や冷気等で痛みを感じる症状です。原因は、歯周病や嚙み合わせの影響で歯茎が下がり、歯の根が露出することによって起こります。また、間違ったブラッシングでエナメル質を削り取って発症する事もあります。
軽度であれば、知覚過敏用の歯磨き粉で症状が落ち着くこともあります。
それ以上の痛みの場合は、歯科医院で原因を除去し、すり減ったエナメル質を補てんしたり、薬剤を塗ってもらうことで、症状が緩和されます。
また、普段は痛くなくても、気づかない虫歯が原因で、時々しみる等の症状がある時は、意外と大きな虫歯が隠れていて、治療が必要になります。
一度治療した歯や、放置したために鋭い痛みが生じた場合は、神経を取らないといけない程の虫歯があったりします。
レーザー治療等で今まで治らなかった知覚過敏が治ることもあるので、あなたにとって最善の方法を歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか?
何でもないと放置しがちな、歯がしみるという症状ですが、的確な診断と処置をする事が大切です。
歯間ブラシを上手に使えていますか?
歯ブラシだけでは取り切れない汚れをとるものとして、歯間ブラシがあります。
被せ物の中のブリッジが入っている人や歯と歯の間が広い人、歯周病が進行してきている人は必ず使う必要があります。
歯間ブラシの使い方は、歯と歯の間にゆっくり歯茎に沿わせながら挿入し2、3回前後させるようにして動かします。その際、無理な力をかけて歯間ブラシの奥まで突っ込まず、ブラシの部分のみで清掃してください。
歯間ブラシにはサイズがたくさんありますので、歯茎の状態や歯と歯の隙間の大きさに合ったサイズを選ぶことが重要です。
同じ口でも使うブラシを分ける必要もあります。
歯茎に炎症があったり、歯間ブラシが入りづらい場所に無理やり入れると、歯や歯茎がすり減ることがあり、かえって歯肉炎の原因になります。
お口の状態も年々変わってきますので、歯ブラシで綺麗に磨きながらも、正しい歯間ブラシの選択と使用を心がけてください。
虫歯のチェックをされていますか?
長いこと歯科医院に行ったことがない方でお口の中を気にされている方も多いと思います。
そのような方は、まず自分で虫歯のチェックをしてみましょう。思わぬ間に、初期虫歯になっていた、ということがあるかもしれません。
セルフチェックの方法としては、奥歯の溝が黒っぽく変色してきている、フロスが引っかかる、以前治療した詰め物や被せ物に段差ができている、温度差に違和感を感じる、甘いものを食べた時に一瞬痛みが走るなどの感覚を見逃さないことです。
これらのことが当てはまった場合、初期虫歯になっている又は静かに虫歯が進行している可能性が高いので対処法が必要です。
初期虫歯であれば歯を削らず予防処置で済みます。また、少し進行している場合でも大きく削って金属などの詰め物や被せ物にならず白い詰め物で分からないように修復できる場合もあります。
痛みが強くないと治療しようとは思わない方もいると思いますが、早期発見、早期治療がとても重要になります。
まずは、セルフチェックをして当てはまる方は、歯科医院でもチェックを受け、治療方法(予防処置)を相談してください。
入れ歯安定剤に頼っていませんか?
コマーシャルでよく見かける入れ歯安定剤を入れ歯のチェックをすることなくずっと使っていませんか?
入れ歯安定剤は、入れ歯のぐらつきを抑え食事をしやすくしたり、クッションの役割で痛みを和らげたり、隙間が埋まるため空気が抜けずに話しやすくするためにあります。
ただし、長く使っていると、歯茎が退縮(痩せて)しまったり、合っていない入れ歯のまま使用し無理やり噛んでいるのが分からなくなったり、歯科医院で調整しようとした時に入れ歯の修理ができなくなったりします。入れ歯安定剤は、入れ歯が合わない部分を補うために使用するものではなく、入れ歯を使用するときの補助剤として使用するものです。入れ歯がぐらぐらしたり、外れたりするときは、入れ歯の調整や新しい入れ歯を作ることも必要になってきます。
入れ歯安定剤を正しく使用するためにも必ず歯科医院で入れ歯のチェックや調整をしてもらった上で、ご自身に合ったものを使用してください。入れ歯を使用しているお口も不具合がないと思っても定期健診は必要です。
入れ歯って何?!
歯を失った時、入れ歯と言われてどんな種類があるのかご存じですか?
入れ歯とよく間違えられるのがブリッジです。
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削って作る一つの塊の人工歯で、取り外しをせず固定されているものです。
入れ歯は、歯がなくなった後の粘膜に人工歯の付いた床でできたプラスチックや金属の塊を乗せて取り外しのできるものです。
これによって見た目が回復し、食べ物が噛めるようになります。また、反対の歯が伸びたり隣の歯が倒れるのを防ぎます。
入れ歯の種類には、全部の歯を失ったら「総入れ歯」、一部の歯を失ったら残った歯にバネなどを掛けて安定させる「部分入れ歯」があります。
粘膜に乗せる床がプラスチックのものや、金属のもの、また、バネを使わない自然な仕上がりの入れ歯もあります。
歯が抜けたままだと、見た目だけでなく、空気が漏れたり、好きなものが食べられなかったり、残った歯が悪くなったりするため、自分に合った目的の入れ歯を使用することが大切です。