小児歯科

子供のすきっ歯と大人のすきっ歯

すきっ歯の正式名称は「空隙歯列(くうげきしれつ)」と言います。すきっ歯になる原因としては、顎の骨の大きさに比べて、歯の大きさが小さいことや先天的に歯の本数が少ない場合、舌で歯を押し出す癖がある方などが原因となります。子供のすきっ歯に関しては問題ありません。この隙間は乳歯よりも大きな永久歯が生えてくる際、綺麗な歯並びになるための必要な隙間となっています。逆の場合は、永久歯が詰まって生える可能性があるので、注意が必要です。また、子供のすきっ歯はモノが詰まっても取りやすかったりと手入れのしやすさがあるかもしれませんね。しかし、大人のすきっ歯は注意が必要です。歯周病などの影響で歯と歯の間が開いてきている可能性があります。歯周病治療を優先し、次に開いた歯の矯正や固定があります。方法としては、①ダイレクトボンディング(歯を削らずに歯と歯を寄せてボンディング剤で固定する手法)②ラミネートべニア(表面を削って、薄いセラミックを張り付け綺麗な歯にする手法)③クラウン(歯の全体を削って被せ物を被せて綺麗な歯並びにする手法)などの治療方法が挙げられます。子供のすきっ歯は放置でいいですが、大人のすきっ歯は治療が必要という違いがあります。

乳歯から歯を大切に。

乳歯が生えそろうのは平均で3歳前後です。お子様の歯のお手入れをするのに苦労されている方もいるのではないでしょうか。「いずれ抜ける歯だから少しくらい適当でも良いのではないの?」と思うかもしれませんが、ケアを大切にしておかなければ永久歯に影響が出てしまいます。乳歯の虫歯を放置してしまうと菌が、歯の根っこにまで達し、そこに膿が溜まります。永久歯は、乳歯の真下にあるので、膿が溜まったところから生えてきます。その時に、永久歯が虫歯菌に感染して変色した歯が生えてしまいます。虫歯菌に感染した永久歯は、虫歯になるリスクも高くなります。また、噛む力(咀嚼力)や顎の発達に大きく影響します。子供の骨は発展途上です。虫歯がある歯を避けて反対側ばかりで噛んでしまうとバランスが悪くなり、顎が変形したり顔のバランスが悪くなることもあり得ます。それらを防ぐために、お子様が1人で歯磨きをした後は必ず仕上げ磨きをしましょう。その際、気になる箇所(変色や歯並び等)があった場合はすぐに受診して相談して下さい。子供の噛み癖も注意し、片側だけに偏った噛み方や噛まずに飲み込む等をしていれば歯や顎に原因がある可能性があります。子供の歯の定期検診は3カ月に1度が目安です。フッ素予防もするのでより安全で、削らず健康な歯で健康な永久歯になると思います。一生健康な歯を保つために乳歯から予防と検診に努めましょう!

大人のフッ素と子供のフッ素塗布の重要性

フッ素塗布は、子供の虫歯予防だけではなく、大人にも効果があります。

歯にフッ素(フッ化物)塗布を行うと、

①唾液中に含まれるミネラルの沈着を促進し、再石灰化を助けて初期虫歯を治します。

②歯の質を強くし、酸から歯を溶けにくくします。(虫歯の発生を防ぎます。)

③酸の生成を抑えて、お口の中の細菌を増えないようにします。

生えたての乳歯や永久歯は、歯の質が弱く、虫歯になりやすいため、フッ素塗布で予防効果が期待できます。

また、虫歯の進行を抑える効果もあるので、乳幼児や子供に定期的に塗布することをお勧めします。

成人の場合、

①歯周病で歯茎が痩せて(吸収されて)歯のエナメル質より弱い部分のセメント質や象牙質が露出し、虫歯になりやすくなるため、歯質の強化と予防のために、フッ素塗布が必要です。

②ブリッジや部分入れ歯の使用により、唾液の流れが悪くなり、虫歯になりやすくなることもあります。フッ素塗布により、虫歯のリスクが高いところを予防できます。

③歯周病予防や歯茎の引き締め強化も期待できます。

以上のように、歯科医院で定期的にクリーニング(歯面清掃)を行い、フッ素をとりこみやすい状態にして、フッ素塗布を行うことを乳幼児から大人までどなたでもお勧めいたします。

歯石の除去を定期的に行っていますか?

そもそも歯石とは何で出来ているかご存知でしょうか?お口の中の細菌が増えてねばねばした塊になることを歯垢(しこう)又はプラークと言います。例えば、舌で前歯の裏を触ったときにねばねばした状態になっていることがありませんか?それが歯垢です。その歯垢にお口の中のカルシウム成分等がくっついて固まった状態を歯石と言います。舌で前歯の裏を触ったときに、固まってざらざらしてきたらそれはもう歯石です。歯石になると、固いだけでなく、歯の根元にも付着しますので歯ブラシでは絶対に取れません。歯石の中では細菌が増殖していくため、歯を支えている骨を溶かしていきます。腫れた歯茎の下でどんどん骨が痩せていき、歯を支えきれなくなります。そのまま放置しておくと、歯がぐらぐらして噛めなかったり、自然に抜け落ちたりします。これが歯周病の怖いところです。重症になるまで痛みが無いため、気づかないところで歯周病は進行していきます。歯周病を防ぐためには、定期的に歯石を除去することが必要です。毎日の歯磨きでは行き届かない部分があるため、歯科医院でしっかり除去してもらいましょう。目安としては半年から10か月以内がおすすめです。歯のクリーニングをしたい(歯石を除去したい)、歯の定期検診を受けたいと伝えましょう。今まで気づかなかったお口のトラブルもわかるかもしれません。

八重歯のサインは子供の時期に出てきます!!

歯の生え変わり時期に犬歯(尖った歯)が外側に生えてくると八重歯になります。

八重歯のデメリットは、歯ブラシがしずらく虫歯や歯周病、口臭などのトラブルが起こりやすいこと、また、口内をケガしやすく、口内炎の原因にもなります。

そのため抜歯をしたくなる人がいますが、犬歯は歯の根が長く強い歯で、一生の内、他の歯が抜けても最後まで残るほど大切な歯なので抜歯は控えた方がいいでしょう。本来、犬歯は顎を左右に動かすときにガイドになる歯で、嚙み合わせにも重要な役割をもっています。

顎が小さかったり、乳歯が虫歯で崩壊すると犬歯の生えるスペースがなく、外側に見えてくるのが八重歯になってしまいます。

乳歯の生え変わりが始まったとき、歯並びから外れた位置で犬歯が生えてくるのが分かれば、すぐに治療が必要です。その時であれば、まだ、部分的な矯正で正しい歯並びへ誘導することが可能です。八重歯として生えきってしまうと、本格矯正が必要になります。

乳歯の生え変わりの際にお子様のお口の中をよく見てあげて、外側に白い歯が見えてきたときは、早めに歯科医院に相談してください。

生え変わらない乳歯を気にしていませんか?

乳歯は顎の下で永久歯が育ってくることにより生え変わるものです。

個人差はありますが、6歳から11歳くらいに乳歯が抜けて永久歯に生え変わります。

ただ、乳歯の生えている場所と永久歯の生えてくる方向がずれてしまうと、いつまでも乳歯が抜けずに残ってしまうことがあります。そのため、永久歯が成長してくると歯並びが悪くなったり、食べ物が挟まって永久歯が虫歯になったりします。

また、永久歯が先天的にない場合は、乳歯がそのまま残ってしまいます。その場合も歯並びが悪くなったり、食べ物がしっかり噛めなかったり、最終的には噛み合わせが悪くなり顎に影響がでたりします。

そのため、乳歯が残っている場合は放置せず、まずは歯医者でレントゲン撮影し、抜歯や矯正治療などの処置方法の相談をして下さい。

早期の抜歯により違う方向に生えた永久歯が元に戻ることが大半です。

乳歯の抜歯は、永久歯の抜歯より簡単で治りも早いため、早期に処置することをお薦めします。

食後に歯磨きしていますか?

食後にすぐ歯磨きをすると虫歯になりやすいという噂が雑誌やテレビなどで伝えられていました。

これは、間違った情報であり、食後は早やめに歯磨きをすることが正解です。

食べ物を食べた後は口の中が酸性になり虫歯になりやすい環境となります。ただ、唾液の作用で酸を中和したり、歯の再石灰化で、歯が溶けないように防御してくれます。炭酸飲料や糖分などの過剰摂取は、この自浄作用をはるかに超えてしまうので、歯磨きをすることで、細菌の増殖を抑えます。歯磨きをしないままでいると、歯垢の中の細菌によって糖分が分解され、酸が作られて虫歯や歯周病になりやすくなります。

重要なことは、食後には早めに歯磨きをして歯垢とその中にある細菌を取り除くことです。

特に、子供の場合は、保護者の方の仕上げ磨きが重要です。

乳幼児から歯磨きをしていると、急に仕上げ磨きを嫌がったりしますが、子供の発育過程においては、よく見られる現象です。

そのため、お子様の歯ブラシと保護者の仕上げ磨き用の歯ブラシを分けて、まず、子供に磨かせてから保護者の方が奥歯などの磨きにくい部分をしっかり磨いてあげてください。

また、小学生になると、保護者に磨いてもらうことに抵抗があると思いますが、生えかわった大人の歯が一番虫歯になりやすく、歯肉炎も起こしやすいです。

そのため、小学生になっても、週に最低一回は、大人の歯(奥歯や前歯)をチェックをしてあげてください。

食後には、子供の時から、歯磨きをする習慣をつけておきましょう。

赤ちゃんのハミガキトレーニング、はじめませんか?

乳歯が生えたら、そろそろお口のケアが必要です。

健康なお口を保つ為には、歯が生え始めた時点から 親子で一緒にハミガキトレーニングを開始することが重要です。

赤ちゃんの事を研究している Combi(コンビ)から、乳歯ブラシセット(ブラシ形状のもの)ができました。

お子様が、しっかり握れて落としにくく、 奥歯まで届きやすい為よく磨けて、 のど突きしにくい設計なので、安心して 自分でトレーニングができます。

その上、保護者による仕上げ磨きで、サポートしてあげることで、丈夫な強い歯をつくる習慣をつけて下さい。

お口のケアに、便利な道具で 親子で楽しくハミガキトレーニングを はじめてみませんか。

ゆか歯科クリニック

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